起業にジョインしろ!創業期から4年半コミットしたGameWithを退職しました
5月に退職していたのですが、留学やらでばたついていたのでこのタイミングでの退職エントリとなります。
昨今では #起業しろ ハッシュタグが流行っていますね!!僕も若い人たちが起業するの、すごく賛成です。そんな中、いざ若手起業家たちが素敵なアイデアを実現した時にスムーズにスケールさせるためには、その起業家を創業期から支える人たちが必須だと考えています。なので #起業しろ で立ち上がる人が増えるのであれば、起業にジョインして創業期に飛び込む人も増えて欲しいという思いがあります。なので、自分が創業期に飛び込んで得られたことをできるだけリアルに共有できればと思います。そして #起業にジョインしたい 人たちが増えると嬉しいです!
個人の経歴に関してはこちらをご覧ください。
https://blog.tamotamago.com/about
得られたものサマリ
- 経験 : マンションの一室でスタートした会社が六本木ヒルズに移転・マザーズ上場するまでの成長の過程で起きた様々なこと
- 株 : GameWith 株 120,000 株(株式分割前は 60,000 株)
特に読んでほしい人たち
創業期ベンチャーにジョインして欲しい人たち
- 20 台中盤で専門分野が身についた働き盛りの人
- フットワーク軽く動ける人
- スタートアップ業界に興味がある人
経験に関するお話
大企業では使えないプログラマーになるかもしれない問題
こちらのエントリで「大企業では使えないプログラマーになるかもしれない問題」とありますが、自分も似たようなことを思っていましたので、こちらの見出しを拝借致しました。 自分の場合、エンジニアは自分一人だったので、 AWS でのインフラからアプリケーション開発までなんでもやる必要がありました。
個人的にはアプリケーションを開発する上での全行程を知りたかったので、この環境は嬉しい部分でした。 大きな開発組織に所属すると役割分担が明確にされているところが多いので、アプリケーション開発する人はインフラをさわれないという現場は多いと思います。それとは対照的に、エンジニアが少ない創業期ベンチャーでは役割分担ができないのでなんでも担当する必要があります。
そういう環境で開発をしてきて、今自分は何が得意なエンジニアか聞かれると、「幅広くできますが、個々の分野においてはスペシャリストよりはるかに劣る専門性」と答えます。なので、創業期ベンチャーのエンジニアを経験することで得られるスキルセット(フルスタック的な)とマインドセット(少人数でなんとか動かす粘り強さ、俊敏性)を次どうやって生かすかを考える必要があります。個人的には、再度創業期ベンチャーに入るためのものなのだろうと考えています(笑)
なので次の会社も創業期ベンチャーです( ´,_ゝ`)
なんでもやる・キャリアにならないことも!
会社の成長に必要なことはすべてやる必要があります。それがたとえ自分のキャリアにならないことであってもです! GameWith 創業期の話でいうと、クリエイティブ職に当たるデザイナーやコーダーがライティングの外注管理・ゲーム攻略・攻略記事作成を長い年月担当していました。
自分もゲーム攻略のヘルプをするために度々駆り出されていました。例えば、モンストのイベントが21時に来るのでそのタイミングで攻略班と協力して攻略する、動画を撮るということをしていました。
また社内システム的なお仕事もやっていました。例えば、六本木ヒルズに移転するぞ!となった際に、ネットワーク環境構築してもらう外部業者さんの相見積もりを撮るために何度も MTG したり、その中で従業員oo名が問題なく使用できるネットワーク構成についてディスカッションしたり、工事当日立ち会ったり。移転後も、新しいネットワーク機材(プリンタ、ライブ配信用 PC など)が搬入された時の各々のネットワーク設定など。
会社の事業に非常に依存しますが、創業期ベンチャー企業では開発に関係のない仕事もやる可能性があります。エンジニアのキャリアとして関係のないこういった仕事も、会社の成長に必要なことだったので、非常に前向きな気持ちで取り組めていました!!
いろんな失敗を経験できる
当たり前ですが、創業期ベンチャーに入ることで、会社の中で起きた成功と失敗を非常に近い距離で感じることができます。で、自分が起こした失敗、周りが起こした失敗の数が今後のキャリアの糧になると考えています。
成功体験も良い経験なのですが、成功体験を得られたとしても、その成功体験を再現するのは難しいと考えています。成功は、もちろん練り込まれた案や策も重要ですが、その案を後押しする周辺環境の状態・タイミング、そして運も大きな要素になってきます。こういった理由で、成功体験は再現性は高くない、そこだけ胸張って生きていくのは個人的にやりたくないと考えています。
なので、学ぶべき、振り返るべきは失敗経験だと考えています。どういう考えがあって、どういう意思決定によってよくない結果が生まれたのか。このケースをたくさん持つことによって、別の場所で同じ失敗を防ぐことができます。また、似たような意思決定の場面で、自信を持って自分の意見を主張できるようになります(過去の自己体験を掘り起こして主張することで説得力を増すことができます)。よって失敗経験が多い人は、別の現場で似たような失敗が起きる可能性を下げることができ、ひいては成功確率をあげられると個人的には考えています。
僕個人も GameWith で多大なる失敗をしました。 開発、組織、採用。失敗の引き出しをたくさん持つことができたので、この経験は次のベンチャー企業でしっかりと活かしていきます!
(余談ですが、具体的な失敗談って表に出て来にくい印象です。失敗を発信する側は立場や感情で発信しにくいという事実があるからです。発信者側の立場や感情をうまく調整することで、ビジネスマンにとってためになる失敗をもっと共有できるのではないかとふつふつと考えています( ´,_ゝ`))
お金に関するお話
片手で数えられる社員数の生まれて間もない会社の給与待遇は気になるところだと思います。
死なない程度に給料はもらえた
僕が 2014年1月に GameWith に入るとき月収は 30 万円でした。社長を含む創業メンバー全員一律でこれでした。もちろん賞与も無いので年収 360 万円です。 これは会社のファイナンス状況によるので、全てのベンチャー企業がこの待遇ではありません。参考程度にとどめておいてください。実際に自分はベンチャー企業でも違う給与体系(40 万円、50 万円などなど)のところを知っています。
創業期スタートアップといってもこれくらいのお金はもらえる = 死なない ということです。 27歳当時の自分でいうと 200 万円くらい年収下がりましたが、ここでの経験は確実に将来の役に立つだろうという自信があったので、迷いはありませんでした。
とあるスタートアップに入りたいけど悩んでいた知り合いに、この話をしたら、「30万円ももらえるんですね!」という反応をもらいました。その友人曰く、スタートアップ創業時は給料 0 みたいなイメージがあったようです。今はスタートアップに投資したい投資家さんがたくさんいる時代なので、多くの場合、死なない程度の給料はもらえるので安心してください。
こういったツイートも拝見しましたので、今後は創業期でも働きやすい・飛び込みやすい環境になる可能性があります。
スタートアップへ転職したら給料半分というのは変えていかないといけない。30代、40代でそうした選択肢はライフスタイルから取れないこともある。人材こそ経営資源なので労働市場でコンペティティブな給与水準となるよう資金を入れていかないと、と日本のVCの皆さまが発言してた
— Ken Nishimura / 西村賢 (@knsmr) 2018年6月17日
その後ですが、会社の業績に応じて給料は上がりました。退職する際の自分の年収は約750万円でした。年収は上がりましたが、年収にこだわるという考え方はあまりなく、いかにユーザに価値を届けるか、いかに会社を大きくするか、企業価値を上げるかというところにフォーカスしていました。その理由は下記で書きますが SO を持っていたことが理由の一つとしてあると思います。
ストックオプションについて
当たり前ですが、スタートアップ企業は創業期に近いほど給料は低くなります。その埋め合わせをするために生株やストックオプション(以下 SO)で補填されることが多いです。自分の場合、創業期に現在でいう 120,000 株の SO の条件をいただいてジョインしました。
SO の詳しい説明はググるといっぱい出てくるのでしませんが、要は成功した時に大きくリターンしますという仕組みです。自分は入社前後で下の本を読みました。
こちらのツイートを拝見しましたが、こういった知識は持っていた方がいいです。
年収Nightマジでやって欲しいなあ。前職のスタートアップでは交渉して年収重視とSO重視の2通のオファーレター作ってもらった話とか出来るし。これでも退職時とか投資家に優先株発行されたときの細かいことを盛り込み忘れてて後悔したことがたくさんある。エンジニアももっとお金に詳しくなるべき。
— 父 (@fushiroyama) 2018年5月31日
最低限の知識を持つ
スタートアップに入るからには SO の概要くらいは理解しておきましょう。これは創業期とか関係なく未上場スタートアップに入るなら必須かと思います。細かいルールはそれを経験した詳しい人に聞くのが一番早いです。自分も細かいルールは上場経験済みの方にたくさん教えてもらいました。本当にありがたい話でございます。(こういう知見を共有していただくことのありがたさを身にしみて感じました。自分も知見を共有して人の役に立ちたいと強く思っております。)
イグジット戦略
その会社がどういったイグジット戦略を持っているのかも知っておくと、より社長と同じ目線・目標で働くことができます。 自分の場合、入社するときは最初は2年で売却を目指しましょうという話で入社しました。が、途中方針転換で上場を目指しますという流れになっていきました。
適切な交渉をする
創業期のスタートアップに入るからには SO の適切な交渉をしましょう。多くの場合、創業期スタートアップは即戦力人材を採用します。場合によっては給料を下げて、さらにお金より大切な時間の大部分をその創業期スタートアップに投資するわけです。 経営者側もそういった人材に対して敬意を払うべきなのですが、場合によってはそういう話を一切しない経営者もいるかもしれません。どんな状況でも、やはり自分の身は自分で守る必要があります。 というのも、自分たちの会社がいざ上場した場合、どの従業員がどのくらいの株を保有しているのか/保有予定なのかが有価証券報告書で全て晒されるわけです。この時に会社内の当事者たちにはいろんな感情が生まれるわけです。そういった有事の際にもそういった感情が起きないような準備をするのが大事です。
自分の経験談だと、社長と以下のような話をしました。
- SO を付与してもらえる時点の会社の時価総額がいくらなのか?([超重要] 行使価格や税制適格というルールに関係してくる)
- どのくらいの量の SO を付与してもらえる予定なのか?
この説明を受けて最初は口約束で終了。その半年くらい後に正式な書面にサインをしました。 上記は GameWith の例ですが、今ジョインしている創業期スタートアップもほぼ同じやり方で進めてもらっています。
あと、念のため言及しますが、SO 目当てで入るのはお門違いです。ビジョンに共感して、寝ても覚めても会社のことばかり考えてられるような人でないと創業メンバーは勤まらないです。自分も含め GameWith の創業メンバーは全員そうでした。
当事者意識
圧倒的当事者意識が芽生えます。自分の会社という意識を強くもてますので、どうやったらユーザ様に価値を提供できるか、一緒に働く従業員のモチベーションはどうやればあげられるか、企業価値をいかにしてあげていくのかという視点を強く持てるようになります。
個人的にはこの効能は強く、基本給をそこまで意識しないで働いていたと思います。
起業にジョインしろ!
ここまで創業期ベンチャーで働くことについて紹介して来て、創業期ベンチャーに入りたい!と思って頂けた方々、ありがとうございます!!! ただ、そこで大きな問題が残っています。
起 業 家 と ど う や っ て 出 会 う の ?
僕も分からないです。
前回も、今回も、「友達の友達がたまたま起業家だった」です。いろんな人に↑の質問をされるのですが、明確な答えがありません。
そこで自分は一つ提案します。 日本の若く元気のある方、Twitter で #起業にジョインしたい でつぶやきましょう!!投稿が多くなれば、起業家の方々とや VC の方々マッチングできるかもしれません!その際には
- どんな即戦力スキルがあるのか
- どんな事業ドメインに興味があるのか
を添えるとマッチング率が高くなると思います!
まとめ
サンフランシスコのようなどでかいスタートアップエコシステムに日本も追いつくためには、起業する人・それをフォローする人が事業を成功させてお金を得て、そのお金を使ってまたチャレンジして。。。の繰り返しかと思います。自分もまた別の創業期ベンチャーにジョインしてサービスの立ち上げを行います。
メルカリ上場でまた多くの若者が資金を手にする。自分で事業の立ち上げにかかわった人には確信があるのでその資金の多くはまた新たなスタートアップに流れる。その繰り返しを70年代からずっとやったのがシリコンバレー。日本は6-7周遅れだが確実に始まっている。それを邪魔しないでほしい
— 川田尚吾 (@shgk) 2018年6月19日
自分は飽きるまでベンチャー界隈にいますので、近しい方々今後も情報交換していきましょう! 読んでくださって興味が湧いた方なんでも質問してください!可能な限り情報提供していきたいと考えております( ´,_ゝ`)
引き続きよろしくお願いいたします!!